県政を身近に 原発ゼロの茨城へ(10)
大井川知事の新年度予算1兆1117億円をただす

企業にやさしく県民に冷たい予算

=茨城民報2018年4月号3面より抜粋=

県議会に知事が提案した2018年度予算は、相変わらず企業呼び込み型の開発優先です。本社機能の県内移転企業に50億円、高級ホテル誘致に10億円の新たな補助はその象徴。

さらに工業団地などの破たん処理に90億円を計上し、売れ残り団地は大幅値下げ。国と一体にすすめる霞ヶ浦導水と八ッ場ダムに27億円の負担金を払い、常陸那珂港区などの港湾事業特別会計は267億円です。そして、「稼げる茨城」「儲かる農業」を掲げて庁内に「営業戦略部」を立ち上げ、知事自らトップセールスにまい進する姿勢は、福祉の増進を図る自治体の役割からあまりにもかけはなれています。

日本共産党3名の県議団は、県民要望の強い「子育て支援」「高齢者福祉」「医療体制の充実」に応える県政を最優先に掲げて議会の質疑・討論にのぞみました。

山中たい子県議が特別委質疑 弱者切り捨ての滞納対策やめよ

山中議員は3月20日の予算特別委員会で、国民健康保険税の負担軽減を求めて、知事に質問しました。共産党県議団の調査では、つくば市をはじめ17市町村が4月から引き上げ予定です。

国保加入世帯の半分は、年所得100万円以下で暮らしています。山中議員は、国保税を払いきれない世帯が2割に上っている実態を示し、「引き下げが、県民の切実な願いだ」と訴えるとともに、保険証の取り上げや差押えをやめるようただしました。

知事は、保険証の代わりに1ヶ月~半年の有効期限しかない短期保険証に切り替えることについて、「滞納世帯と接触する機会を確保するために(中略)必要な取り組みだ」と答え、高い国保税を払えない弱者切り捨ての姿勢を示しました。

江尻かな県議が本会議質問 「県民の声」は原発再稼働反対

江尻議員は3月7日の本会議質問で、「知事は議会冒頭の所信表明で、原子力について一言も語らず、県民の声を聞くための予算を1円も計上していない」と批判。

そして「県民の6~7割が東海第2原発の再稼働に反対だという声を、どのように聞こうとしているのか」とただしました。知事は、県民の声を聞くことについて、「時期を含めた具体的なプロセスについては、国や事業者の動向をふまえ慎重に検討していきたい」と具体的内容を示さず、どんどん姿勢を後退させています。

江尻議員が再度、再稼働を認めない決断を求めたのに対し、「適時適切に県民に情報提供させていただき、ご理解をいただくよう努めていく」と述べるにとどまりました。

上野たかし県議が反対討論 開発の失敗を県民に押し付けるな

上野議員は3月23日の議会最終日、議案の採決前に討論に立ち、新年度予算案が“失敗済み“の企業呼び込み型開発や大型公共事業優先になっていることを批判し、生活密着型県政への転換を主張しました。

そのうえで、県立障害者施設(あすなろの郷)の再編整備による入所定員の削減計画や子どもの医療費補助、少人数教育などの問題点を指摘し、各施策の充実を要求。

子どもの医療費助成制度は、入院のみ高校3年生まで拡大されますが、外来診療を含めて所得制限も窓口負担もない完全無料化まで、あと25億円です。

少人数教育は、4月から中学3年生まで拡大されるとはいえ、学年に35人を超えるクラスが3クラス以上ないと適用されません。全クラス35人以下学級のためには、担任教員を約300人増やし、必要予算は8億4千万円です。

▼日本共産党県議団が3つの意見書提出

予算関係議案は、日本共産党以外の全議員の賛成で可決。

また、日本共産党県議団が提出した▽「森友学園」疑惑解明を求める▽生活保護改悪を許さず、拡充を求める▽「働き方改革」関連法案の国会提出断念を求める3つの意見書は、いずれも日本共産党以外の全議員の反対で否決されました。

茨城民報2018年4月号3面(PDF)