橋本県政24年間と原子力行政 – 県民の安全は守られるのか

=茨城民報2017年7月号3面より抜粋=

橋本知事6期目最後となる議会で、日本共産党の江尻かな県議が一般質問に立ちました。
6月6日に原子力機構大洗研究開発センターで起きたプルトニウム内部被ばく事故や、過去の動燃再処理工場での火災爆発事故(1997年)、燃料加工会社JCOでの臨界事故(1999年)などをあげて、「重大事故が立て続けに起きた本県知事が、原発についての判断を国まかせにしてきた」と批判し、東海第2原発の廃炉を求めました。

計画検証のため避難訓練を実施

東海第2原発について、知事が「こちらからあえて廃炉を言う必要もない」と答えたことに、江尻県議は「県民の安全と引き換えに、国からの見返りを求めるような問題ではない。命の問題だ」と追及。広域避難計画の実効性や事故の被害想定、県民生活への影響等をどう検証するのか質問しました。

知事は「避難計画の検証のためには避難訓練の実施が必要であり、14市町村の計画が策定された段階で訓練ができるよう検討する」と答弁。
再稼働と廃炉の場合の県民生活への影響については、「事故被害の仮定の置き方やエネルギーコストなど全国的な課題が多く、現段階で検証は考えていない」と責任を放棄しました。

知事「事故の可能性があると思っている」

江尻県議は「24年間の原子力行政で、知事の心に原発はどう刻まれているのか」と再質問。
知事は「最初は安全だという意識が強かった。しかし、今や原発に事故が起きる可能性があると私も思っている」と自らの考えに言及。
しかし、最後は「再稼働や運転延長は国の対応を見ながら県の態度も決めていきたい」との答弁をくり返しました。

●新潟県の米山隆一知事が原子力に向き合うきっかけはJCO事故でした。
医師である米山さんは事故当日、放射線医学総合研究所の当直医。全身に放射線を浴び、手の施しようがない現場を見て「二度と犠牲者をつくってはならい」と、他県の事故に学んで新潟県民の安全を第一に考えています。

原子力機構の施設概要

  • 全国に89施設を所有
  • 茨城県に76施設
  • 他県に13施設(福井県のもんじゅなど)

76施設のうち核燃料物質が使用・保管されているのは53施設。
そのなかで、原子力規制委員会から核燃料物質の保管状態などが不適切だとして是正指示を受けているのは10施設あります。

<76施設の内訳>
▼原子力科学研究所(東海村) 36施設
▼核燃料サイクル工学研究所(東海村) 21施設
▼大洗研究開発センター(大洗町) 19施設
※事故を起こしたのは大洗研究開発センターにある燃料研究棟です。

全国8位の財政力を県民のくらしに

6月県議会の最終日、橋本知事が任期最後の挨拶をしました。
企業誘致や陸海空広域交通ネットワーク整備を実績として語る一方、県の借金(県債)を大幅に増やしたことや1千ヘクタールを超える売れ残り土地の責任などは何も説明しません。
また、原子力事故や東海第2原発について一言も触れませんでした。
全国8位の財政力を、最下位クラスとなっている福祉や医療、教育にあてて、県民の命と暮らしを守るべきです。

  • 子ども医療費 18歳まで無料に
    県の制度として、所得制限も一部自己負担もなく、高校卒業まで完全無料化するのに必要な予算はあと25億円、県の一般会計予算約1兆円の0.2%です。
  • 少人数教育 県立高校にも拡大を
    今年度から中学2年に、来年度から中学3年に県の少人数教育が拡大されます。
    日本共産党県議団が「今度は県立高校にも拡大を」と求めたのに対し、教育長は「大変意義あることと考え、実現に積極的に取り組んでいく」と答えました。
  • 国保税 強権的な差押えやめよ
    高すぎる国保税の値下げと、地域医療の充実は切実な願いです。せめて18歳以下の子どもの均等割税を免除すること、滞納世帯に対して強権的な差押えではなく生活実態にそった分割納付を進めるべきです。

小・中102校が廃校に 歩いて通える場所に学校がない
=スクールバス保護者負担を無料に

県が学校統廃合を進めた結果、橋本知事の24年間で小・中学校あわせて102校がなくなりました。歩いて通える場所に学校がなく、35市町村がスクールバスを運行。うち11市町が有料です。
日本共産党県議団は6月議会で、無料化のために県補助の拡充を求めました。

4年ごとの知事の退職手当 6期で総額2億6,757万円

  • 1期目 51,456,000円
  • 2期目 51,456,000円
  • 3期目 51,456,000円
  • 4期目 41,164,800円
  • 5期目 36,019,200円
  • 6期目 36,019,200円(予定)

茨城民報2017年7月号・3面(PDF)