新型コロナウイルス 共産党茨城県議団、県に一律休校見直し要請

日本共産党茨城県委員会(田谷武夫委員長)と党茨城県議団は3月13日、新型コロナウイルス感染症対策で、県内学校の休校見直しを県に要請しました。

県担当者に要請書を手渡す山中県議、江尻県議、上野高志党県副委員長

県担当者(左)に要請書を手渡す山中県議、江尻県議、上野高志党県副委員長(中央左から)=3月13日、茨城県庁

2日から順次休校となっていますが、「学童保育に迎えに行くと、けんかの話ばかりする。ストレスがたまっている」、「一日中自宅で過ごす子どもがテレビやインターネット漬けになっている」などの声が共産党に寄せられています。

要請では、これらの実態を届けるとともに、▽子どもの発達・人権という角度から休校の検証を図る▽教員・学童保育指導員の働き方の改善▽学校給食中止にともなう業者への直接補償─を要求。
学校を再開しない場合でも、屋外での遊びを保障し、給食を提供することも求めています。

山中たい子県議は、「県内で学校給食を一部継続しているのはつくば市のみ。昼食がカップラーメンやコンビニのお弁当ばかりの子もいる」、江尻加那県議は、「私にも小中学生の子どもがいる。子どもの実態をよく調査してほしい」と要望しました。

(「しんぶん赤旗」2020年3月17日付より転載)

一斉休校の見直しを求める要請書

茨城県知事 大井川 和彦 様
茨城県教育長 柴原 宏一 様

2020年3月13日

日本共産党茨城県委員会
日本共産党 茨城県議団

政府は3月10日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合を開き、総額4,308億円の緊急対応策第2弾を決定しました。

日本共産党茨城県議団は2月10日、国内での感染が報告される中、大井川和彦知事に対し、県民への迅速で正確な情報提供と相談体制の強化、医療・検査体制の充実・確保など5点に渡り申し入れをおこなってきました。この間、県内の小中学校、高校、特別支援学校は、政府の要請により一斉休校を実施してきましたが、以下のような、子どもの生活リズム壊し、保護者をはじめ社会に不安と混乱をもたらす事態なども一部に見られます。政府の緊急対応策第2弾は、こうした保護者の不安の声に十分こたえるものになっていません。

本来、学校には子どもたちの健康と生活リズムを見守る保健室があり、養護教諭がいます。栄養豊富で衛生的な学校給食は全小中学校にあります。子どもたちを見守る多勢の先生の目があります。手洗い、検温などの感染予防措置を徹底すれば、子どもたちを守る「安全装置」が備わっているのが学校です。

感染者が出た場合の休校がやむを得ないのは当然ですが、上記の理由から、休校をやめた方が子どもの安全・健康が保てる場合も少なくないと考えます。これまでの一斉休校措置の検証と、早急な見直しを求めます。

(1) 休校約10日間を、現場の状況を把握し、専門家も加えて検証し、県として休校を続けるかどうか判断すること。

  1. 子どもの発達・人権という角度から、再度検証を図ること
    参議院公聴会で、政府感染症対策本部副座長から、「コロナウイルスの場合、学校閉鎖が効果があるというエビデンスはない」との答弁がありました。県内でも、親が仕事を休めず一日中室内で過ごす子どもの中には、「テレビ・ネット漬けになっている」「どうしても昼食はカップ麺やお菓子になりがちだ」等の声が報告されています。友人と遊んだり、おしゃべりすることが我慢を強いられる中、エネルギーの持って行き場がなく、休日に思い切り遊んでいる子どもたちの姿をみると、半面心が痛む状況があります。
    希望者を学校で受け入れている市町村もありますが、「近くで会話してはいけない」「お弁当の時間は会話は禁止」「1メートル以上離れて静かに自習」などが強制されている児童の中には、「もう行きたくない」という声もあがっていると聞いています。
    子どもたちの発達や人権という立場から、休校についてもう一度振り返って検証してください。
  2. 学校職員、学童指導員・支援員の働き方の改善
    学校職員、学童指導員・支援員の中からも、「我が子は自宅に置いて出勤している」という声や、長時間勤務を余儀なくされ、感染を心配する声もあがっています。
    春休みも含め1ヶ月以上にわたり、このような状況を続けることは、子どもたちを見守り教育する学校職員、学童指導員・支援員の働き方からも問題です。県として、人員配置の改善を図るよう支援すること。
  3. 学校給食中止に伴う問題、地域経済に与える影響からみること
    学校給食中止に伴い、保護者負担については一定の改善がありました。一方、食材などの納入業者や農家に対する対策は不十分です。県内のある食品会社は、急な学校給食中止の連絡に、準備した食品を無料で配る事態となっています。政府の支援策には、「慈善団体への寄付のための輸送費等の支援」が盛り込まれただけです。食品納入業者や農家の声を聞き政府に届けること、県として直接補償を考えてください。

(2) 休校を継続した場合でも、以下の検討を求めます。

  1. 子どもたちが屋外での運動や遊ぶことについて問題視する声もあります。「屋外で適度な運動をしたり散歩をしたりすること等について妨げるものではなく、感染リスクを極力減らしながら適切な行動をとっていただくことが重要」という3月9日の文科省「Q&A」を徹底すること。
  2. 登校希望者に対し、学校での受け入れを増やすこと。その際、遊びや学びを取り入れた、子どもらしい居場所とするよう改善すること。
  3. 希望者に対し、学校給食を再開し、無償で提供すること。
  4. 登校日を増やすこと。
  5. 感染予防措置を講じ、図書館、美術館、博物館等の再開をはかること。
  6. 県独自に、休校の解除と学校の再開に向けた方針を検討し関係者に示すこと。

以上


一斉休校の見直しを求める要請書
(PDF)