日本共産党茨城県議団ニュース 2018年11月号

県議団ニュース表 県議団ニュース裏

項目

茨城県議会第4回定例会 日本共産党 上野たかし県議が最終日討論

県議会第4回定例会(10月29日~)は11月14日、原子力施設への課税を図る核燃料等取扱税の更新や県職員の給与条例の一部改訂など計27議案を原案通り可決し閉会し、今期すべての日程を終了しました。

最終日、日本共産党の上野高志県議が、採決に先立ち行った討論は、以下の通りです。共産党以外の討論はありませんでした。

東海第2原発 課税ではなく廃炉に

第126号議案は、核燃料等取扱税の条例です。

この条例の課税対象となる東海第2原発は、今月末で運転期限の40年を迎える、本来なら廃炉にすべき原子炉です。

条例の最大の問題点は、本税の意見聴取に際して、日本原電が次のように回答していることです。
5年前の更新の際には、「本税は原子力発電所の稼働に伴い(中略)弊社発電所との共生につながるもの」と明記されていました。

さすがに今年の回答書には、「原子力発電所の立地に伴い」と言い換えられておりますが、再稼働をめざす姿勢は何も変わっておりません。それどころか、財政需要や使途について条件を付けるなど、傲慢な態度が見られます。
40年の運転期限が目前であること、福島の原発事故が現実に起こったことから、この条例を認めることはできません。

県立こどもの城 民間企業に指定管理

第137号議案は、県立児童センターこどもの城(大洗町)を民間企業(NTTグループ会社)に指定管理させるものであり反対です。こどもの城は、本県唯一の宿泊型児童センターであり、豊かな自然の中での健全な遊びを通して、子どもの発達と最善の利益を保障する拠点施設です。社会的ニーズに対する福祉機能も求められており、県の役割を発揮すべきです。

成績主義の人事管理強化やめよ

第149号議案は、職員の給与条例の一部改正です。家計消費が落ち込んでいるときに、生活の改善にはつながらない、低額な勧告内容です。また、成績主義に基づく人事管理の強化も強調されています。2016年度から導入された「人事評価制度」に基づく成績による賃金や処遇への反映を実施しており、同意できません。

2017年度 歳出・歳入決算に反対

認定第1号・第2号は、2017年度一般会計・特別会計、及び企業会計決算です。

大型開発の見直しこそ急務

前知事から大井川知事へと引き継がれた予算ですが、県政の最重要課題は、少子化対策・子育て支援や医療・福祉の拡充という県民要望に応えることであり、大型開発の見直しこそ急務となっています。

ところが、常陸那珂港開発や霞ヶ浦導水事業はいまだ見直されず、土地開発の破たん処理費に63億円が投入されました。これまでに保有土地対策開始以来、2,217億円もの県税が借金の穴埋めに使われてきました。今こそ、開発行政のゆきづまりを転換すべきです。

水道会計30億円の純利益 料金引き下げを

また、水道事業会計においても、純利益30億6千万円の黒字となっており、県民や市町村の要望にこたえた水道料金の引き下げを求めます。

実効性のない避難計画は認められない

東海第2原発の過酷事故に対応する広域避難計画については、3市(笠間市・常陸大宮市・常陸太田市)で策定されたと事業成果には報告していますが、移動手段の確保も、複合災害への対応もない計画を認めることはできません。
よって、いずれも同意できません。

私学助成拡充請願 不採択にするな

請願第6号・7号は、私学助成の拡充を求めるものであり、不採択に反対です。(「私学助成をすすめる県連絡会議」提出)「親の収入に関係なく、子どもが自由に学校を選べるように」「幼児教育の無償化など、子育てに希望が持てる政策を」という県民の声に真剣に応えるべきです。

消費税増税中止を求める意見書

このあと議題となる意見書第21号は、「来年は消費税を10%に増税する」と断言する政府に対し、増税中止を求めるものです。(日本共産党県議団提出)消費税は所得の少ない人ほど、重い負担となる不公平な税制です。意見書が述べている通り、大企業や富裕層への優遇税制こそただすべきです。

国保税の引き下げを求める意見書

意見書第22号は、国民健康保険会計への国庫負担の増額を求め、国保税の引き下げを求めるものです。

全国知事会など地方3団体は、国民健康保険が、他の医療保険よりも高額であり負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だと指摘しています。そのため、保険税を協会けんぽ並みにすることを求め、1兆円の国費投入などの抜本的な財政基盤の強化を要望しています。

日本医師会も、低所得者の保険税を引き下げ、保険証の取り上げをやめるよう求めています。
よって、意見書第21号、22号の採択を求めます。

以上で討論を終わります。

2019年度予算・施策 知事宛重点要望

日本共産党県議団と茨城県委員会(田谷武夫委員長)は11月15日、2019年度の県予算編成と施策に対する264項目の重点要望書を大井川知事あてに提出しました。

大内くみ子県副委員長と県議団3名、県議選をたたかう予定候補5名(写真右から、川崎あつ子、石島いわお、谷口誠一、山口みちこ、千葉たつお、上野たかし、江尻かな、山中たい子)が出席し、宇野善昌副知事が対応しました。

江尻県議は東海第2原発をめぐり、40年を超えた原発の廃炉を県が決断すべきだと指摘。「人口過密と原子力施設が集中する県独自の状況を考慮すべき」と述べ、再稼働ストップと廃炉を求めました。

山中県議は、高すぎる国保税の引き下げを要求。「保険税が払えず医療が受けられないことがあってはならない」と訴え、国保税を「協会けんぽ」並みに引き下げるため、必要な財政支援を国に求めるよう強調ました。

上野県議は、2015年11月に取手市内の女子中学生が自死した問題に言及。「いじめも体罰もない学校を」と求め、教員多忙化の解消と全クラスでの35人以下学級の実現やいじめ問題の日常的な取り組みを要望しました。

また、県が国と一体にすすめる無駄な大型開発を批判し、公共施設の老朽化対策や防災など県民の命を守る公共事業を要望。農業分野では、食料自給率を支えているのは小規模家族経営だとし、後継者育成支援や県種子条例の制定を求めました。
宇野副知事は、「現場の切実な声をいただいたと思う。各部局に伝え、議会での議論も含めて検討していきたいと答えました。

要望書全文はこちらから

9分野の要望項目

  1. 東海第2原発を廃止させ、あらゆる原子力災害から県民の命と暮らしをまもる
  2. 医療・介護・福祉の充実をはかる
  3. 暮らしと雇用を守り、中小企業を支援する
  4. 地域農業を再生し、食料自給率を向上させる
  5. 環境をまもり、安心して暮らせる地域・まちづくりをすすめる
    ○鉄道・交通関係 ○道路整備 ○河川整備 ○環境問題 ○防災・まちづくり
  6. すべての子どもたちに行き届いた教育を保障する
  7. 公共事業を大型開発優先から生活密着型に転換する
  8. 地方自治をまもり、県民本位の財政を確立する
  9. 県政に憲法を生かし、平和と民主主義をまもる

日本共産党茨城県議団ニュース 2018年11月号(PDF)