日本共産党茨城県議団ニュース 2016年4-5月号

日本共産党茨城県議団ニュース 2016年4-5月号が出来ました。

県議団ニュース 2016年4-5月号(PDF)

項目

こんにちは江尻かなです 3月議会報告

県議会で一般質問

3月県議会が開かれ、日本共産党県議団(3名)は、一般質問や予算特別委員会、所属の各常任委員会で質問に立ちました。
豪雨災害対策や雇用、TPP、少子化対策、子育て支援、特別支援教育など切実な県民要求をとりあげ、知事や教育長をただしました。

「借金ふやす大きな会館は見直しを」新水戸市民会館

水戸市がすすめる新たな市民会館の整備計画を白紙に戻し、市民の声を反映させる「市民の会」が結成され、住民投票実施を求める署名運動が取り組まれました。
江尻議員は、県議会で知事に対し「事業を認可すべきではない。市民の合意形成が重要だ」と県の姿勢をただしました。

県は、都市再開発法により、再開発組合設立と事業計画を許認可する権限があります。水戸市の計画は、泉町北地区再開発事業と 一体で新市民会館を建設するものです。

中心街再開発の失敗 県「今後は補助しない」

県は大工町1丁目再開発の際にも事業を認可し、県として3億8千万円、国と市を合わせ44億円もの税金が補助金として投入されました。しかし、ビルは空きテナントのままです。
江尻議員は「中心街活性化のためだと再開発が繰り返されるが、空洞化の引き金は4千人が働く県庁を移転したことだ」と当時、移転反対の声を切り捨てた知事の責任を批判しました。
知事は「確かに空洞化 原因の一つかもしれない。市民の署名活動が行われているが、県に再開発が申請されたら適切に対応していく」と答えました。
県は大工町再開発への補助金支出を最後に、再開発事業への県補助を行わない方針に転換しています。

300億円以上・3,700人収容 巨額・巨大な計画でいいの?

見直しを求める3つの理由

  1. 集客力の保証なし
  2. 交通渋滞・駐車場不足
  3. 将来世代に多額の借金

住民投票実施には市議会の条例可決が必要

「今なら間に合う」と、水戸市初となる住民投票実施を求めた約1万5千人の署名を市に提出。
しかし、今後開かれる市議会で投票条例が可決されなければ実施されません。
市民の声を反映する議会の姿勢が問われます。

子育て支援が一歩前進!子育て世代の声を届けます

日本では、子ども医療費の2~3割が自己負担。私は「お金の心配なく病院に行けるように」と、無料化や助成拡大を求めてきました▼ようやく、県と水戸市が助成制度(マル福)の所得制限を緩和し、助成対象となる子どもが県全体で29万から36万人に拡大▼本当なら「緩和」でなく「廃止」が願い▼これからも高校卒業までの医療費無料化をめざして頑張ります。

子どもの医療費負担と助成制度 2016.10~

  • 水戸市
    0歳~中学3年生は自己負担1日600円まで
    ※所得制限/未就学児はなし、6歳以上はあり(県と同じ)

  • 0歳~小学6年生は自己負担1日600円まで
    ※年所得が622万+(38万×扶養人数)以下の世帯に助成

  • 未就学児は2割、6歳以上は3割が自己負担

江尻かなの一般質問

豪雨河川決壊 「人災」の責任

江尻議員は「鬼怒川上流4つの巨大ダムに約2千億円以上をつぎ込む一方、河川整備は年20億円程度。堤防決壊という甚大な被害をもたらした国と県の責任を明らかにし、原因究明と被害者への全面補償を」と、知事に強く要求。
知事は「鬼怒川緊急対策で堤防整備は17%から約9割に向上する。河川決壊の原因検証は困難」と答えました。

税金優遇 日立建機が黒字なのにリストラ

知事 「労働局と連携して対処したい」

「少子化の主な原因は、若者の雇用が壊されたことだ」と指摘した江尻議員は、県が正規雇用確保の具体的対策に取り組むよう求めました。

正規雇用の確保を提起

(1)県税を免除して県が誘致した企業の正規・非正規の雇用実態を把握する(2)大幅な雇用変動がある際は、県への報告を義務付ける(3)誘致企業の日立建機などが、黒字拡大のための人員整理を大規模に進めており、雇用の維持を要請すること、の3点を提起しました。
知事は「日立建機の人員削減は地域の雇用に大きな影響を与える懸念もあるため、茨城労働局と連携して対処していきたい」と答弁。これまでより、一歩踏み込んだ県の姿勢を示しました。

非正規の賃金引き上げ

県庁では非正規職員が1,200人を超え、その7割が女性です。
臨時事務職は時給806円。嘱託職員は1年更新、最大5年の有期雇用で育児休暇なし。
江尻議員は改善を求め、新年度から臨時職員は時給20円、嘱託職員は月約2千円引き上げられました。

霞ヶ浦導水 工期また延長 完成予定2015→23年度

「いつまで続けるのか」―江尻議員は、霞ヶ浦導水事業の中止を知事に強く求めました。
国は完成を2015年度から23年度に延期。事業費1,900億円(県負担851億円)は変更なしとしていますが、すでに事業費の8割を使ってトンネル完成は3割。事業費増額になれば、水道料金値上げなど県民負担増につながります。水需要は低下し、霞ヶ浦の浄化効果も期待できません。

カワヒバリガイの拡大

さらに、江尻議員は「霞ケ浦に繁殖する特定外来生物カワヒバリガイ(二枚貝)などが、導水によって那珂川に拡大すれば、農業用水施設に侵入して通水障害を起こしたり、河川生態系に悪影響を及ぼす」と指摘。
しかし、知事は「導水は必要不可欠。環境保全は国に対策を求める」と事業推進の姿勢です。

霞ヶ浦導水事業

那珂川と霞ヶ浦、利根川を地下20~50mのトンネルで結んで水を行き来させ、首都圏の水の確保と、霞ヶ浦の水質浄化が目的。着工から30年以上経ち、水需要の低迷と、水質浄化に効果はないとして反対運動が起き、那珂川の漁協などが建設差し止めの裁判係争中。

「TPP反対」で農業・食料守れ

「国会批准は中止を」

TPPは、ごく一握りのアメリカ多国籍企業の利益を守る「自由貿易協定」です。農業産出額全国第2位の本県農業の行く末を左右する大問題であり、食の安全や自給率の低下など、不安や反対の声は止まりません。
江尻議員は「知事が批准中止の声をあげるべき」と主張。
しかし知事は、TPP対応に(1)畜産・水田農業の国際競争力の強化(2)革新的な産地づくり(3)経営感覚に優れた経営体の育成などを掲げ、TPP受入れの姿勢です。

2016年度茨城県予算

  • 一般会計(1件) 1兆1,208億円
    特別会計(12件) 2,650億円
    企業会計( 6件) 1,123億円
  • 一般会計借金残高 2兆1,690億円
    (県民1人あたり約70万円、橋本知事就任から3.8倍増)
  • 茨城県の財政力指数 全国8位

ムダ使い見直しを

常陸那珂港は、北ふ頭にある東電火力発電所の石炭灰を埋め立てて中央ふ頭を整備。道路やダムなど国の公共事業に県負担金を支出。さらに、採算の見通しなくつくった工業団地や茨城空港への税金投入が毎年続いています。
日本共産党はムダ使いの事業を見直し、全国8位の県財政力を暮らしや福祉、子育て・教育にまわすよう要求。

  • 常陸那珂港区中央ふ頭整備(東電火発石炭灰埋立処分場工事) 265億
  • 圏央道直轄負担金 37億
  • 開発用地破たん処理(借金返済) 34億
  • 茨城空港就航利用対策 6.5億
  • 八ッ場ダム事業費負担金 5.8億
  • 霞ヶ浦導水事業費負担金 3.6億

「保育園落ちたの私だ!」

「少子化だといいながら、子どもを生んだら全然保育所に入れない」と訴えるママ。
「こんな安い給料で働き続けられない。自分の子育てが成り立たない」と保育士の悲鳴・・・。
江尻議員は「茨城県の待機児童の9割を占める0~2歳児の受け入れ拡大には、(1)認可保育所の増設(2)保育士の給与引き上げが必要」と求めました。
「待機児童ゼロ」と公表している市町村でも、待機児童にカウントしていない子どもが残されています。

保育士あと1千人必要

県内で働く保育士は約7千人。待機児童解消には、あと1千人の保育士が必要です。
全職種と比べ月10万円以上賃金が低い保育士の処遇改善が急務です。

東海第2老朽化 「避難」ではなく「廃炉」に

福島原発事故を受け、政府は「事故は起こり得る。放射性物質の放出もあり得る」とこれまでの方針を転換。その前提でつくられたのが国の新規制基準です。江尻議員は、「世界一厳しい基準とは到底言えない」と批判。

国まかせではダメ!

再稼働された川内原発や高浜原発で、相次ぐトラブル発生の危険性を指摘した江尻議員は「国が安全だと言っても、再稼働させず廃炉にすることが最善策だ」と知事に決断を迫りました。その上で、本県の原子力安全対策委員会や原子力審議会を、「廃炉」を前提にした専門家集団と有識者会議にするよう求めました。
しかし、知事は「国の審査と並行しながら県でも審議しているところ。安全性に疑義が生じれば、必要な対応を求めていく」と答えるだけでした。

虐待相談3倍増 児童福祉司3人増員

江尻議員は、昨年9月に水戸市内のアパートで3歳男児が亡くなった事件を取り上げました。「多くの行政機関が関わりながら、なぜ防げなかったのか」と問題点を指摘し、児童福祉司の増員を主張。また、児童養護施設の小規模化に伴う職員の長時間勤務・宿直増加の改善を求めました。

知事は「本県の虐待相談件数は年1,200件を超え、過去最多となった。児童相談所の体制を強化するため、児童福祉司を計3人増員する。児童養護施設については、各施設の状況を把握し、勤務環境の改善について国に要望を行っていく」と答えました。

児童養護施設の子ども 進学・就職への支援金

さらに、本県の児童養護施設の子どもの大学進学率は14%で、全国平均22.6%に比べて遅れており、江尻議員は『給付制』支援金を実施するよう要求。
知事は「新年度から『貸付け』での支援金を実施し、施設を退所して就職や進学する者の自立を促進していきたい」と答えました。

障害児教育 特別支援学校 教室が足りない
児童生徒数1.4倍

江尻議員は、特別支援学校を訪問して実情を調査。この10年で児童生徒数は1.4倍、約一千人増えていますが、学校の増設が追いつかず、教室不足や大規模化の解消が切実な要望です。
教育長は、特に知的障害児童生徒数の急増による学校の過密解消を図るため「新校設置や校舎増築等のほか、通学区域の見直しなどにより、不足教室の解消に鋭意取り組む」と答えました。

県政世論調査

県民要望の上位5項目(2015年8月実施)

  • 1位 子育て支援・少子化対策の推進・・・・・・・・35.9%
  • 2位 高齢者福祉サービス体制の充実・・・・・・・35.3%
  • 3位 医療体制の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28.6%
  • 4位 高齢者の健康・生きがいつくり推進 ・・・15.7%
  • 5位 治安(防犯・交通安全)の回復・・・・・・・ 9.8%

太陽光発電導入 全国トップ
無秩序な太陽光パネル規制し 再生可能エネルギーさらなる普及を

原発出力規模を上回る

東海第二発電所は現在、運転停止中で、再稼働に向けた国の審査が進められています。福島原発事故後に本格実施された固定価格買い取り制度のもと、本県の太陽光発電導入容量は全国1位に拡大。昨年時点で130万kWを超え、東海第二発電所(110万kW)の出力容量を上回る規模となっています。
しかしメガソーラーなど大規模施設がほとんどで10kW以下の住宅用発電等は全体のわずか1割です。県は、住宅用太陽光発電への助成をわずか2年で廃止してしまいました。
日本共産党は、(1)東海第二原発は廃炉にすること、(2)蓄電池導入への補助も含めて、住宅用太陽光発電への補助を拡充することを求めています。

県がガイドライン策定

日本共産党は、県内各地でトラブルになっている無秩序な太陽光パネル設置問題をとりあげ、規制を求めました。
県が今後策定するガイドラインについて、(1)災害を防止する地域や1へクタール未満の森林伐採等を規制する、(2)景観や観光、生活環境を守る、(3)地元説明や同意を得ることなどを提案しました。
知事は「立地を避けるべきエリアの指定や、地元自治体や住民への説明実施、安全な施工管理や設置後の維持管理など、景観や観光、防災など様々な問題に対応できるものとしたい」と答えました。

固定価格買い取り制度における太陽光発電導入容量上位5県
※2015年11月末時点(カッコ内数値は住宅用等10kW未満の発電)

  1. 茨城県
    1,331,650kW(135,459kW)
  2. 福岡県
    1,261,265kW(172,731kW)
  3. 愛知県
    1,200,632kW(271,348kW)
  4. 千葉県
    1,169,558kW(155,625kW)
  5. 兵庫県
    1,154,344kW(144,732kW)

新年度予算で願い実現 要望が一歩前進

  • マル福の所得制限緩和 今年10月から
    子ども・妊産婦の医療費補助の所得制限緩和で対象者拡大
  • 児童相談所(中央・土浦・筑西)の福祉司3人増員
    現在52人の福祉司が、年間1,200件を超える虐待相談対応
  • 特別支援学校スクールバスの長時間運行を改善
    18校106台のバスを8台増車、介助員を136名→147名に増員
  • 小・中・高校スクールカウンセラーの相談時間拡充

関東・東北豪雨対策―4つの提案・要望

  • 鬼怒川や八間堀川決壊の原因と責任を究明する。
  • 床上浸水した家屋はすべて「大規模半壊」に基準を改める。
    現状では3,700件が「半壊」とされ支援が十分でない。
  • 生活再建支援金の上限300万円を500万円に引き上げる。
  • 浸水した「保管米」について、営農再開できない農家にも支援策を実施する。

大型開発・大企業優遇予算 上野議員が反対討論

一般会計当初予算案や条例案などの議案は、日本共産党以外のすべての会派の賛成で可決。
一方、「待機児童の早期解消と保育士の処遇改善を求める意見書」、「TPP協定を批准しないことを求める意見書」は、いずれも否決されました。

上野議員が採決前に討論に立ち、新年度予算について、八ツ場ダムや霞ケ浦導水事業、常陸那珂港区中央ふ頭整備、茨城空港就航利用対策、開発用地の破たん処理などに巨費が計上されていると指摘。「無駄な大型開発は中止すべきだ」と強調し、反対を表明しました。本社機能を本県に移転する企業に税金を免除する条例案について、「さらなる大企業優遇には反対する」と述べ、企業誘致優先から県内中小企業への直接支援の拡充に転換するよう要求。
企業向けの工業用水を値下げする条例案については「同意できない」と主張。県民向けの水道料金を値下げするよう求めました。


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県議団ニュース 2016年4月号山中版(PDF)

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