日本共産党茨城県議団ニュース 2015年11・12月号

日本共産党茨城県議団ニュース 2015年11・12月号が出来ました。

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県議団ニュース 2015年11・12月号(PDF)


11月臨時県議会 豪雨災害に県の総力あげた支援を 山中たい子県議が質疑

11月16日に臨時会が開かれ、9月に起こった豪雨災害への住宅再建支援、農業・中小企業の事業再開支援、河川や農地などの災害復旧の補正予算(総額147億8600万円)を全会一致で可決しました。
質疑、答弁(要約)、討論を掲載します。


豪雨災害から66日、亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げ、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
半壊世帯支援金や住宅応急修理の所得制限撤廃、中小企業の補助などが予算計上されました。「オール常総」の声に一部応えたものです。

7人家族の男性は、住宅の応急修理制度が利用できることになり、「家を直すのに困っていたが、頑張ってみようという気持ちになれた」と喜んでいます。
大規模半壊の床屋さんは、廃業する千葉の同業者から道具類を譲り受け、今月5日に再開しました。
自営業にも50万円まで出ると伝えると涙を浮かべました。被災者の住まいと生業など、生活基盤の再建が課題です。

●2次避難所の開設を●

第1は避難所の改善です。
「朝食に5日間、ランチパックが出た」と、2ヶ月避難生活する男性の訴えです。10月に常総市が行った避難所アンケートで、半数は退去の見通しがありません。ホテル・旅館を借り上げ、直ちに2次避難所を開設すべきです。

(知事答弁)
避難生活の長期化で健康が悪化しないよう常総市にホテルや旅館などを二次避難所として確保するよう助言してきた。
市は12月初旬を目途に開設準備を進めている。
県としても国と調整を進め速やかに二次避難所を開設し、良好な生活環境を提供できるよう支援していく。

●災害ゴミ処理は国、県の責任で●

第2は災害ゴミ、修理などで剥がした床や壁などの処理です。
住宅再建の重大な障害となっています。処理費用は被災者の負担をなくし、国県が全額負担すべきです。

(知事答弁)
個人やボランティアが剥がしたものは災害廃棄物として、国の補助金の対象となる。市が処理を行えば、国庫補助と特別交付税措置がある。
さらに激甚災害に指定され災害対策債を発行することができる。常総市の負担額は処理費の約4%。県として必要な費用の全額を支援するよう国に強く要望していく。

●応急修理清算済にも支給を●

第3は住宅支援です。
常総市は判明しただけで、世帯の3割、6千世帯が浸水しました。床上1メートル以下でも畳を捨て、壁も床板も剥がして乾かすなどは同じです。断熱材使用の場合、床下から壁伝いに浸水しました。半壊も床上・床下も大規模半壊と同等に支援すべきです。
住宅の応急修理も増額すること。修理代金をすでに支払った人も領収書添付で可とし、さかのぼって支給すべきです。

(知事答弁)
家屋の被害認定は被害実態に即した支援ができるよう、被害区分や認定の基準について改正を国に要望していく。
県単独の住宅の応急修理制度については、県制度で修理代金を精算済みの方まで支援対象とすると、所得の高い方は精算済みであっても支援を受けられ、所得の低い方は国の制度によるため精算済みの分の支援を受けられないという不均衡が生じる。
このため、国の制度との均衡を図り、修理代金を精算済みの方を対象外とした。限度額を引き上げることも難しい。

●農業・商工業再建に全力つくせ●

第4は農業・商工業支援です。
平町に住む3町歩の稲作農家は、収穫後の米がすべて水没し、トラクターやコンバイン、田植え機など被害が3千万円です。機械類の6割支援を伝えると、「よかった」と両手で顔をおおい涙を流しました。「農業を続けるか、やめてしまうことも考えた。息子も後を継ぐと言ってくれた」と語っています。農業県を支える農家に希望を与えたのです。さらに増額を求めます。
収穫前の米は共済補償に、国県が2割程度補助を上乗せし、9割程度にすべきです。収穫後の米は常総市で1,092トン、収穫前の米同様、9割程度の補償がどうしても必要です。
中小企業の被害は198億円、なお調査中です。廃業やむなしという豆腐屋さんは、ボイラーなどを揃え直したら700万円。「50万円ではどうしようもない」と話します。少なくとも被害額の3割程度の補助に引き上げるべきです。

(知事答弁)
農業共済については、約9割の農業が最大7割補償に加入している。
加入の種類により9割までの補償割合が選択できるようになっており、農業共済組合等とも連携し、農家への制度の周知に努めていく。
収穫後の米の支援について、国から必要な措置を講じる方針が示された。
支援内容が示され次第、早急に対応していく。
被災中小企業事業継続支援事業の補助上限額の引き上げについては、今後、より大規模な災害が発生した場合に財源を確保できないことも考えられ拡充は困難である。

●基金活用し総力あげたとりくみを●

第5は県の総力をあげたとりくみです。
補正は、浸水被害の大きさや被災者の負担から見れば、不十分です。政府への要請とともに、20億円以上残る繰越金はもとより、基金など活用した最大限の財政出動で被災者を支援すべきです。県の基金は、こういう時にこそ使うべきです。

以上の5項目について、知事の見解を伺います。

(知事答弁)
国の不十分な事項を県、市町が協調し支援することとしたところ。
義援金も年内には被災者にお渡しできるよう準備中。
今後、国に対し、災害救助法における所得制限の撤廃や被災者生活再建支援法の対象範囲の拡大、中小企業への支援など、引き続き粘り強く要望していく。

●ダムより堤防整備優先せよ●

次に河川改修。鬼怒川の本県堤防整備率はわずか17%です。この極端な遅れが甚大な被害をもたらした最大の要因であり、まさに「人災」です。国はダム建設に巨費を投じながら、堤防整備を後回しにしてきました。「ダムより堤防を」の立場で、堤防整備や河道掘削など国県の河川改修予算を大幅に増額し、早急に整備すべきですが、知事の見解を伺います。
最後に、常総市の復興には国県の総力をあげたとりくみが必要です。県民の生命、財産を守る、本県の役割の発揮を強く求めて質問を終わります。

(知事答弁)
県管理の河川改修は、国の補助で行う事業が7割を占めており、防災安全交付金などの予算の確保について国に強く働きかけていく。
被害の大きかった八間掘川は、国の災害関連の補助制度を活用し重点的に河川改修を推進していく。
国管理の鬼怒川は概ね5年間で河川激甚災害対策特別緊急事業を適用し緊急的・集中的に河川改修を進めるよう国に強く要望していく。

(以上)

県の特例措置

今回、県が特例的に実施する事業のために予算を措置するもの

●半壊世帯に対する生活再建支援金の支給
支給額:25万円(県1/2、市町1/2)
予算額:3億1,300万円(2,500世帯分として)

●所得制限により国補助の対象とならない半壊世帯に対する住宅応急修理への補助
限度額:56万7,000円(県1/2、市町1/2)
予算額:1億2,800万円(450世帯分として)

●農業用機械・施設の取得や修繕費用の上乗せ補助
対象: トラクター、コンバイン、パイプハウス等
補助率: 国30%+県15%+市町15%(自己負担40%)
予算額:13億1,700万円

●中小企業の機械・設備の取得や修繕費用の県独自補助
対象:事業再開に必要な機械・設備の修繕・購入、販売促進に要する経費等
上限額:50万円(県1/2、市町1/2)
予算額:3億7,500万円(1,500件分として)

農業共済の補償対象とならない収穫後の米(約1,092トン見込み)の浸水被害に対しては、国の対応方針が示されたことから、県ではこれに予備費などで対応するため、補正予算としてあげていないとの説明です。

江尻かな県議が賛成討論

日本共産党の江尻加那です。今臨時会に提案された第140号ないし142号議案、および報告第6号は、いずれも関東・東北豪雨災害の被災者支援と災害復旧の予算措置であり賛成いたします。

堤防未整備が生んだ「人災」

今回の豪雨災害は、河川の決壊がなければ、これほどまでに被害が広がることはありませんでした。鬼怒川上流の4つの大規模ダムの洪水調節では防げなかった決壊であり、近年増えるゲリラ豪雨に対して、堤防強化と内水氾濫対策を基本に据えるべきです。とくに堤防整備率が本県17%にとどまっている鬼怒川は、若宮戸から三坂地区にかかる部分的な堤防整備にとどまらず、流域全体の治水を向上させるよう、激特事業による特段の整備を進めることです。
いま、全国からのボランティアは引き上げ始め、今後地元ボランティアとともに、国・県・市町の長期的、継続的な支援が求められます。

県の支援が一歩前進、さらなる拡大を

被災者にとって厳しい冬を迎えます。いまなお避難所には240人余の方が2ヶ月近くの避難生活を余儀なくされており、ホテルや旅館を使った2次避難を早急に進めることです。また、在宅避難者で、親類や縁者宅に身を寄せる方や、自宅の2階や納屋などで暮らしている方が多数います。畳がないことはもちろん、壁や床板をはがして補修が始まっています。1階にあったすべてのものを失っています。半壊であっても数百万から1千万円を超える修理費を要します。今回の特例措置により半壊世帯に25万円の支給が計上されたことは、全国初の取組みとして歓迎される一方、被害の大きさと、再建に必要な額から見ればわずかであり、見通しがもてずに悲嘆し途方にくれている被災者も少なくありません。

農業や中小事業所などの再建も厳しく、その深刻さゆえに、県と常総市は従来の壁を突破して、農機具等への補助率を国の3割から6割に引き上げ、中小企業支援は50万円を補助することとしました。しかし、常総市内では飲食店が20店以上廃業という情報もあります。さらに、市外へとやむを得ず転居する人も増加しています。災害による、その後の人口減少と産業の衰退という2次的被害を最小限にとどめることが、地方創生の優先課題ではないでしょうか。
今回の補正予算に続き、さらなる予算措置を実行し、住宅再建では支援金の額と対象を拡大すること、農業再建では農家の自己負担なしで農業設備や農地を復旧すること、中小事業所への再建補助を拡大することです。県管理の河川改修予算も拡充が必要です。

法律・制度の大本からの見直しを

自然災害によって住まいや農畜産物、生業を失うことは、個人には何の責任もありません。まして、今回は国・県管理の河川決壊によってもたらされた「人災」です。憲法で保障された生存権に基づき、従来の制度や法律の不十分さを大本から見直し、被災者の要望と実態に沿ったものに創り上げていくことです。
そうした視点からも、請願27年第18号「豪雨等による浸水被害世帯に対する独自の支援制度の創設等を求める請願」に賛成いたします。以上で討論を終わります。