茨城県議会 山中たい子県議の一般質問(2015年3月9日・大要)

山中たい子県議の一般質問(大要)

2015年3月9日(月) 茨城県議会 第1回定例会本会議

〈質問項目〉
1. 県政運営と県民生活支援について(答弁・知事)
(1)県政運営の転換
(2)中小企業支援策としての公契約条例の制定
(3)雇用対策と最低賃金の引き上げ
(4)米価暴落対策
2. 介護保険の改善について(答弁・保健福祉部長)
(1)介護報酬、介護職員処遇の改善
(2)保険料・利用料の負担軽減、施設・在宅サービスの充実
3. 特別支援学校の課題について(答弁・教育長)
(1)つくば特別支援学校の分離新設
(2)スクールバスの改善
4. つくばのまちづくりについて(答弁・知事)
(1)TX沿線開発地区の学校、公共施設の整備
(2)県立洞峰公演にスケートパークの建設
5. 原子力行政について(答弁・知事)
(1)東海第二原発の再稼働中止、廃炉
(2)東海発電所の放射性廃棄物処分

1. 県政運営と県民生活支援について

(1)県政運営の転換

日本共産党の山中たい子です。

最初に、県政運営と県民生活支援について質問します。
県政運営について、4つの転換を提起します。第1に、国の悪政から暮らし・福祉、子育てを守る防波堤の役割を果たすことです。消費税増税や社会保障の大改悪は、県民生活を直撃しています。介護保険料や利用料の引き上げ、高い保育料や国保税など県民負担を強いるものになっています。県独自の支援策を実施すべきです。

第2に、企業を呼び込み、大型開発依存の破たんした経済対策を、中小企業や農業など地域の力を生かした対策に切り換えることです。
新年度は、進出企業への法人事業税や不動産取得税免除を3年延長し、工業団地の立地促進に25億円、開発用地の破たん処理に2014年度は合わせて255億円、9年間で2082億円も優先して税金を投入するなど、県民を犠牲にした異常な支出です。自衛隊百里基地と共用の茨城空港は、建設時の需要予測の半分の利用です。早朝・夜間の訓練は野放しで日米共同訓練は強化され、騒音被害は甚大です。就航対策に11億円もの支出はやめるべきです。

第3に、国と一体になった大型公共事業を生活密着型事業に転換することです。常陸那珂港に256億円、圏央道に144億円、八ッ場ダムや霞ヶ浦導水事業など不要な事業の復活で、土木費は3割増と突出しています。関東6県の中で、土木費1位、福祉費は6位、福祉後進県をいつまで続けるのでしょうか。

第4に、地方創生の名で自治体再編をねらった地方切り捨てをやめ、どこでも等しくサービスが受けられる自治機能の再生を図ることです。企業を呼び込めば、雇用と税収が増え、福祉にまわるというトリクルダウンの経済は破綻しています。

知事は自らの県政運営の失敗と誤りを認めなければなりません。大型開発から県民生活支援に県政を転換することについて知事の所見を伺います。

(2)中小企業支援策としての公契約条例の制定

次に、中小企業支援策としての公契約条例の制定についてです。
2月に茨城県建設業協会と懇談し、“担い手3法”(公共工事品質確保法の改定など)が成立するなか、若い世代の労働環境改善に努力していることやダンピング受注防止のため最低制限価格の適正な設定などの要望が出されました。

公契約条例は、公共工事や業務委託などの発注で、労働条件確保の条項を定め、公共サービスの質の低下を防ぎ、地域中小企業に仕事をまわすことにあります。
2009年に千葉県野田市で最初につくられ、政令市の川崎市などにも広がり、働く人の賃金底上げに成果を上げつつあります。

4月から都道府県で初めて実施する奈良県は、県発注の建設工事と業務委託の実態調査を2012年に行い、賃金格差が正規と非正規で1.6倍、元請けと下請けでは1.3倍あったこと、また、社会保険加入は下請け労働者において4分の1が未加入だったことが明らかになりました。適正価格での公共事業や業務委託が行われない場合、そのしわ寄せは人件費の抑制や雇用にも及びます。

本県経済の担い手は中小企業です。公契約条例の制定に向けて、部局横断的な検討チームをつくること、建設工事、業務委託、指定管理において実態調査を行うことを求め、知事の所見を伺います。

(3)雇用対策と最低賃金の引き上げ

1) 最低賃金の引き上げ
次に、雇用対策と最低賃金の引き上げについてです。本県の最低賃金は729円で、全国平均より51円、東京より159円も低いのです。昨年は16円引き上げられましたが、消費税増税と物価上昇に追いつかず、実質的な引き下げです。

2010年の第4回雇用戦略対話における政労使合意で、20年までに「時給800円確保」を全国目標にしました。11年から「業務改善助成金制度」による、国の中小企業支援が始まり、賃上げと業務改善計画を策定し、審査に通れば、新年度から最大150万円が支給されます。
この推進策について、知事の所見を伺います。

大企業の内部留保が285兆円に達する一方で、実質賃金は19か月連続でマイナスです。非正規雇用が2千万人を超え、若者や女性、シングルマザーの半数は派遣労働やパート・アルバイトで働き、年収は200万円にもなりません。
国は、中小企業の税・社会保険料減免などの支援を行い、最低賃金を時給1,000円以上に、そして全国一律の最賃制度の確立を急ぐことです。

最低賃金の大幅引き上げを国に求めるべきですが、合わせてお答えください。

2) 「知って得する8ヵ条」パンフレット普及を
県南のあるコンビニ店がアルバイト募集のチラシに「時給750円、トレーニング期間は30円引き」と記載していました。トレーニング期間の720円は、県最低賃金を下回ります。ブラックバイトも社会問題化しており、労基法や最低賃金法など、労働関係法令の普及啓発が求められます。

本県は、「知って得する8ヵ条パンフレット」を毎年3万部作成し、高校3年生に配布しています。今年度は出前講座も4校で行いました。パンフレットを増刷し、全ての高校生・大学生、専門学校生に配布し、ハローワークや労働相談窓口などに置いて活用すべきですが、知事の所見を伺います。

(4)米価暴落対策

次に米価暴落対策についてです。
政府はTPP交渉で、国会決議に反し譲歩を重ねています。農協「改革」の名でJA全中から指導監督機能を奪い、全農の株式会社化、単位農協から金融・共済を分離、準組合員の農協事業利用制限など、農協の弱体化を図り、日本農業を壊そうとしています。

平成26年産米の生産者米価の暴落は、米の再生産と地域経済に深刻な打撃です。県内の「概算金」は、「コシヒカリ」が当初9,000円、追加払い500円で9,500円となったものの、前年比で2,000円も下がりました。米の生産にかかる費用は60キロあたり1万6,000円です。「こんなに安くては、作付けや経営の見通しが立てられない」と農家が悲鳴をあげています。

県内の作付面積7万2,300ヘクタールで試算すると、農家の減収は125億円に上ります。多大な農家の減収について、知事の所見を伺います。
県とJAによる「つなぎ資金」の無利子融資は13件、実行された融資額は1,740万円です。追加の支援策が必要です。稲敷市は、10アールあたり5,000円の補助を打ち出しました。
国に助成を求めるとともに、本県が稲敷市並みの支援を実施した場合、36億円、県予算のわずか0.3%です。北海道に次ぐ農業県です。
米価暴落対策の県独自補助について、合わせてお答えください。

2. 介護保険の改善について

(1)介護報酬、介護職員処遇の改善

次に、介護保険の改善について保健福祉部長に質問します。

介護報酬と介護職員の処遇改善についてです。介護問題は、高齢者とその家族、現場で働く20代、30代など若者の雇用にもかかわります。とくに、介護職員の人材不足と処遇の低さは深刻です。政府は今般、介護報酬を2.27%、過去最大の引き下げを示しました。処遇改善に逆行し、介護事業所の存続自体も危惧されます。介護報酬引き下げは撤回すべきです。

政府は、処遇改善加算12,000円の拡充で賃上げができると説明していますが、処遇加算を含んでも2.27%のマイナスで、上乗せを除けば、4.48%の大幅引き下げです。「賃上げにつながらない」「月給は上がったけど、施設の経営悪化でボーナスカット」「職員が減らされ、仕事がきつくなり、介護職場がブラック化する」など切実な声を聞いてまいりました。処遇改善は、国補助による別枠の予算で進めるべきです。

県として、地域医療介護総合確保基金等を活用し、処遇改善や介護人材確保への対策を求め、保健福祉部長の所見を伺います。

(2)保険料・利用料の負担軽減、施設・在宅サービスの充実

次に、介護保険料と利用料の負担軽減について、質問します。

年金削減のもとでの負担増で、不安は増すばかりです。市町村では、来年度から3年間の保険料改定額が議会にかけられています。厚生労働大臣は、「介護報酬を引き下げることで保険料値上げ幅を10%に抑制できる。低所得者の保険料は現行水準で維持できる」と答弁していますが、県の見込みでも基準額で県平均月4,528円から5,201円に15%の値上げ。水戸市は20%の値上げ案が示され、国の見解と異なります。
利用料も、今年8月から一定所得以上は2割負担に倍増されます。これらの現状を踏まえ、県独自の負担軽減策が必要と考えますが、所見を伺います。

施設及び在宅サービスの充実についてです。特別養護老人ホームの待機者が年々増加し、本県で6千人を超えるなか、国は特養ホームの基本介護報酬を最大6%引き下げます。施設運営が厳しくなることは必至です。本県の特養ホームの新年度整備計画はわずか4カ所です。
介護報酬引き下げの撤回を国に求めるとともに、特養ホームの増設で待機者の解消を進めるべきですが、所見を伺います。

在宅サービスについて、これまで予防給付として実施してきた要支援1・2の通所介護と訪問介護を、ボランティア中心の市町村地域支援事業に移行しようとしています。介護専門職員が行ってきたものを、安上りなサービスに置き換えることは現実をみない改悪です。初年度となる2015年度中の移行は全国で7%の自治体、県内でも3自治体にとどまることが厚労省調査で明らかです。多くの市町村は2017年度から移行と言われていますが、このままではサービスが継続できなくなることが懸念されます。
要支援者の介護サービスの継続と充実について、合わせてお答えください。

3. 特別支援学校の課題について

(1)つくば特別支援学校の分離新設

次に、特別支援学校の課題について、教育長に質問します。

つくば特別支援学校の分離新設についてです。第2期整備計画の最大の課題は、つくば特別支援学校の教室不足解消と分離新設です。

つくばの児童生徒数は395人で、開校時の2倍の過密状態です。教室不足も25室と県下最大となり、教育活動に影響が出ています。図工美術室や調理室、実習室、家庭科室などの特別教室を普通教室に10教室も転用し、さらにパーテーションやロッカーなどで間仕切りして普通教室を確保しています。職員室も222人の教員全員は入りきれず、高等部教員38人の職員室は木工技術室を半分に仕切ったものです。学校がこれでいいのでしょうか、胸が痛みます。

つくばの分離新設についてどのように検討しているのか、また、つくば市に売却した旧上郷高校を活用することについて、教育長の所見を伺います。

(2)スクールバスの改善

次に、スクールバスの改善についてです。

特別支援学校のスクールバスは、全21校のうち17校の98コースで運行し、2,736人が利用しています。利用率は、82%と年々高くなっています。「乗車時間が長いので、介助員を2人にしてほしい」「自宅を出てから学校に着くまで、せめて60分以内に」と保護者の要望は切実です。
一刻も早く90分コースの解消を図るとともに、運行時間を60分以内とし、介助員を複数配置することについて、教育長の所見を伺います。

4. つくばのまちづくりについて

(1)TX沿線開発地区の学校、公共施設の整備

次に、つくばのまちづくりについて知事に質問します。
市内5地区のTX沿線開発は、県とUR都市再生機構が8万人を呼び込む大規模な宅地開発です。日本共産党は、開発の縮小、見直しを求めてきました。県とURの土地処分と宅地開発が急速に進められ、5年間で1万2千人の人口が増えました。

問題は、学校や公共施設の整備とまちづくりの遅れです。住宅を求め移り住んだ子育て世代から、「小学校がない、地域交流センターも児童館も遊具のある公園もない」と怒りの声が出ています。
市は昨年9月、研究学園地区とみどりの地区の学校整備計画を発表しました。今県議会に県有地処分議案が提案され、学校建設が本格化します。いま通学している春日小、谷田部小は県内有数のマンモス校となり、一刻の猶予も許されません。学校の早期開校に向けあらゆる手立てを尽くすことです。

学校建設と郵便局設置は決まっても、地域交流センターや児童館の整備、街灯・防犯灯の設置、通学路の安全確保など、まちづくりの課題は山積しています。開発を推進してきた知事として、学校や公共施設の整備について、責任ある対応を求め、所見を伺います。

(2)県立洞峰公園にスケートパークの建設

次に、県立洞峰公園のスケートパークの建設についてです。
子ども達や若者達に長年親しまれ、世代をこえふれあいの場となっていた市営白畑児童公園のスケートパークが昨年末、撤去されました。筑波研究学園都市建設の70年代に整備され、世界のスケートボード愛好者にも人気で、一度は行ってみたいと言われていた公園です。
数年前、路上駐車や夜間騒音などの苦情が寄せられ、市はパーク撤去の方針を、利用者や子ども達に知らせないまま、決めてしまいました。

「ボール遊びやジェイボードができなくなる」と子ども達は市長にメッセージを書き、若者達は現状維持を求め、3千の署名を届けました。周辺を訪ね、市と何回も話し合いましたが、市は方針を変更しませんでした。
スケートボードは、仲間づくりや居場所づくりなど若者文化の1つになりつつあります。筑西市の県西総合公園や坂東市、常総市にも公共のスケートパークが整備されています。洞峰公園内に設置を望む声も多く、知事の所見を伺います。

5. 原子力行政について

(1)東海第二原発の再稼働中止、廃炉

次に原子力行政について質問します。

東海第二原発の再稼働中止、廃炉についてです。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から丸4年です。未だに解明されない原発事故の原因、放射線量が高くて状態さえ把握できない原子炉内部、流出し続ける大量の放射性汚染水、その事実を隠す隠ぺい体質、このようなもとで原発の再稼働など論外です。今も故郷に帰れない12万人を超える人々が、生業を奪われ、先の見えない不安に苦しみ、子ども達の甲状腺異常の発生に不安を募らせています。「原発は廃炉に」の政治決断が強く求められます。

一昨年9月15日に全国すべての原発が運転停止して、今日で540日目です。電力は足りています。しかし、安倍内閣は原発を推進し、原子力規制委員会は川内原発に続いて、高浜原発3、4号機も規制基準に適合と判断しました。
アメリカでは事故時の住民避難計画について、政府の認可を受けない限り原発は運転できませんが、日本では避難計画は審査の対象外です。計画の具体化や責任は、すべて当該の自治体任せです。東海第二原発30km圏内96万人の実効性のある避難計画は、つくれない状況です。

東海第二原発は運転開始37年目を迎える老朽原発で、原則40年の期間は残りわずかです。事業者である日本原電は、審査申請は「再稼働に直結しない」と言いながら、フィルター付ベント設備や防潮堤工事に780億円も投資するとしており、60年運転まで視野に入れているのではないかと考えます。知事は事業者に対し、再稼働を速やかに断念し、こうした費用をプールにある核燃料を取り出して保管する乾式貯蔵キャスクの早期増設に切り替えていくよう求めるべきであり、所見を伺います。

再稼働について、同意を得るべき地元の範囲を知事はどのように考えているのでしょうか。法的枠組みはなく、川内原発のように立地自治体と県のみの手続きで同意したというのでは県民の理解は得られません。
市町村と十分に協議し、地元の範囲を明確にすべきです。少なくとも避難計画策定が義務付けられた30km圏内市町村の同意が必要と考えます。これらの問題を踏まえ、東海第二原発の再稼働中止、廃炉の決断をすべきですが、合わせてお答えください。

(2)東海発電所の放射性廃棄物処分について

次に、東海発電所の放射性廃棄物処分についてです。

2月4日に、日本原電株式会社の原発関連施設を視察しました。2001年から廃止措置を進めている東海発電所は、高レベル廃棄物の処分方法や場所が決まらず、原子炉解体撤去に手が付けられません。原子炉以外の撤去で発生した低レベル放射性廃棄物2万6,900トンのうち、濃度が一番低いL3廃棄物1万2,300トンは敷地内に埋設する計画です。L3廃棄物は、8,000Bq/kgを基準とする指定廃棄物とは比較にならない数万Bq/kgの廃棄物です。この放射性廃棄物を深さ5m程度の素掘りの穴に埋め立てて、最終処分にすることに、住民が不安を持つのは当然です。

放射性廃棄物の処分は、地下水や大気、海水や人への影響が出る物質の管理であり、綿密な安全性の確認が必要です。

これ以上、核のゴミを増やさないために廃炉の決断が必要です。同時に、知事は国と事業者に対し、管理計画の抜本的見直し、放射性廃棄物の安全管理と適正処分を求めていくべきと考えますが、所見を伺います。

以上で質問を終わりますが、答弁によりましては再質問いたします。

以上

<再質問>

再質問します。知事が、東海第二原発の再稼働を許さず、廃炉にすることを、日本原電と政府に要請しなければ、県民のいのちと安全を守ることはできません。

日本原電は、「審査申請は再稼働に直結しない」と県と市町村、県民に繰り返し説明しています。しかし、再稼働の準備を着々と進めています。

私の調査では、日本原電は再稼働に向けて特別点検装置をすでに発注し、本年6月から点検の実施を予定しているということです。特別点検は、通常の定期点検とはちがい、60年運転に向けて義務づけられた、特別の点検です。
こうした動きを、知事は把握しているでしょうか。事実を調査し、再稼働を許さない立場を表明すべきですが、ご答弁ください。

以上で質問を終わります。

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