茨城民報2017年5月号: 県政を身近に 原発ゼロの茨城へ(1)

項目

県政を身近に 原発ゼロの茨城へ(1)
「20年運転延長」断念し廃炉へ 今年問われる東海第2原発

=茨城民報2017年5月号3面より抜粋=

福島第一原発事故を教訓に原子炉等規制法が改正され、原子炉の運転期間を原則40年としました。東海第2原発は、来年11月に運転開始から40年を迎えます。日本原電(株)は、例外規定を使ってさらに20年運転を延長する方針で、延長申請期間は今年8月~11月です。
知事が同意しなければ再稼働できません。水戸市など周辺自治体も再稼働の是非を決める権限の拡大を求めています。

決め手は県民の意思と知事の判断

危険なのは原発だけじゃない

1997年の動燃再処理施設の火災爆発事故、1999年のJCO臨界事故が起きた茨城県。

放射性廃液 再処理施設

現在、原子力機構の再処理施設で保管中の高放射性廃液は、停電などで冷却ができなくなった場合、2日間程度で沸騰すると言われています。
東海第2原発の過酷事故は、核施設を無人化状態とし非常時対応ができなくなることにつながります。

高速実験炉「常陽」を再稼働申請

ウラン・プルトニウム混合燃料を使用し、ナトリウムで冷却する危険な「常陽」が、もんじゅ廃炉後の新たな核燃サイクルの柱とするため2017年3月に再稼働申請されました。

東京電力 常陸那珂火力発電所

東日本大震災の津波と液状化による被災復旧後、2号機を建設稼働。3基目も稼働予定。
重金属を含む大量の石炭灰を海に埋立て、埋立完了後に常陸那珂港区埠頭として活用を計画。

茨城県内の発電設備容量

本県は原発が停止していても消費電力の1.5倍の発電量がまかなわれており、首都圏にも供給しています。

活動報告

上野たかし 沖縄 座り込み1000日目行動へ

私は3月末、名護市キャンプシュワブ正門前の「座り込み1千日目集会」に参加するため沖縄へ行きました。
この日も、集会が終わって座り込みが20名以下になった途端、機動隊が参加者を無理やり排除し、ダンプカー数台が基地の中へ。
それでも屈せず、座り込みに 来る人々を迎え入れながら行動を続けるウチナンチュのたたかいです。

茨城県内には自衛隊施設が8ヵ所あります。
戦争法発動となれば真っ先に、陸上自衛隊勝田基地(施設部隊)や霞ケ浦基地(武器学校)の隊員が、兵站活動(後方支援活動)の任務を命じられます。
航空自衛隊百里基地で過去7回、日米共同訓練が行われ、夜間訓練などの騒音被害は深刻です。
沖縄の心と連帯し、平和を脅かす安倍政権に代わる新しい政治を実現させましょう。

江尻かな 子ども虐待 救えなかった幼い命

過去5年間、茨城県では5人の子どもが虐待で亡くなりました。
一昨年は、生まれて3年間乳児院で育った男児を、県の児童相談所が家庭に戻すと判断しました。
そして、その5日後に水戸市内のアパートで死亡しました。
私はすぐに関係者から事情を聞き、母親の裁判も傍聴。
児童虐待防止NPO法人の集会に参加して、弁護士や大学教授の話を聞き、議会で県の対応をただしました。
知事「児童福祉司を増員する」「県としても重く受け止めている」と述べた上で、知事は「子どもを守るためには、児童相談所の体制強化が大変重要」と答弁。
「現在3ヵ所の児童相談所にいる55名の児童福祉司を63名に増員し、平成31年度までに75名にする」と明確に示しました。
虐待の根底にある育児の孤立化や若年妊娠、貧困や障害。児童養護施設や里親制度、包括的な子育て・教育支援が課題です。

山中たい子 地方自治 “自分たちで変えられる”

運動公園計画を住民投票でストップさせたつくば市民。昨年、市民第一を掲げた五十嵐市長を誕生させました。
新年度予算では子育て支援を拡充。その1つが春日学園のスクールバスです。
PTAや自治会が「1時間も徒歩通学する子どものために」と求めてきました。いま、350人以上の希望者全員を乗せて運行しています。
「ずっとお願いしてきたバスが走るのを見て感無量です」とあるお母さん。ひときわ目立つ赤いバスに、子どもたちが次々乗車する姿が見られます。
市民に寄り添う自治体の役割を発揮するため、新しい市政をさらに前へ!

茨城民報2017年5月号・3面(PDF)