2026年6月 茨城県議会第2回定例会 江尻かな議員の最終日討論(要旨)

日本共産党の江尻加那です。4件について、反対討論いたします。

まず、第82号議案 外国人の不法就労活動の防止に関する条例です。条例骨子案のパブリックコメントに617件もの意見が寄せられました。懸念や反対の声が多く、5月に県が開始した通報報奨金制度と同様、不法就労の本質的解決にならないばかりか、外国人を監視対象とするような誤ったメッセージを送ることになり、地方自治体による多文化共生施策に逆行するものです。

知事は「当事者や関係者と協議・調整する余地はない」とするのでなく、県民に理解と協力を求めるならば、拙速な条例提案は見送って論議を重ねるべきでした。
不法就労を生みだしている技能実習制度が、来年度から育成就労制度に改変されても、外国人労働者の人権保障を確立することなしに改善は見込めません。

求められるのは、▽農業分野をはじめとして柔軟な在留資格の創設▽転職や転籍が円滑にできるための制度改正▽相談体制の一層の整備などをすすめ、窮地に立たされる外国人を生みださないよう関係者や当事者と協力体制を構築していく─県の役割ではないでしょうか。

政府は今、外国人材の受け入れを拡大する一方で、在留資格更新手数料や経営・管理ビザの資本金額の大幅に引上げなどにより排除と管理を強め、多文化共生社会の実現に逆行する流れです。それと一体的といえる県の取組に、県民の協力を責務とする条例案には同意できません。

次に、第83号議案 教育委員会が所管する県立博物館や美術館等6施設の職務権限を知事部局(県民生活環境部)に移す条例についてです。

昨年11月に示された行政監査報告書にある『これからの時代にふさわしく、茨城の魅力アップにつながる美術館・博物館の管理及び運営のあり方』の提言自体は尊重するものです。

しかし、社会教育法で、知事部局に移管するには教育委員会の意見を聞かなければならないと規定していますが、移管を議題とした5月の定例教育委員会は「非公開」とされてしまい、どんな意見が交わされたのか一切知ることができません。

「社会教育施設としての基本的機能が損なわれることはないか」「目先の効率性や収益を追求したり、政治的中立が左右されることはないか」などの懸念について、大いに公開で議論すべきでした。よって、県民への説明も手続きも不十分であり、年度途中10月からの拙速な知事部局への移管には賛成できません。

次に、いばらき自民党から提案された2件の意見書についてです。

一つは、皇位継承を確保するための法整備を求める意見書ですが、衆参両議院によるとりまとめ案は、「女性皇族の身分保持」と「旧宮家の男系男子の養子縁組」の2点に絞り込み、男系男子による継承を動かざる原則としていることは、女性天皇を認めることを除外しており、国民の総意と合致しません。日本国憲法において「法の下の平等」という既定の例外として認められている象徴天皇制は、国民の総意に基づくものであり、今般の「立法府の総意」はこれと相容れません。法制化や皇室典範の改定を急ぐことは、将来に禍根を残すものであり反対です。

二つ目は、自衛官の処遇改善等に関する意見書についてです。自衛官の定員割れや中途退職者の増加に対処するためとして、昨年12月第291回国会において日本共産党も賛成して防衛省職員の給与に関する法律が改正されました。人事院勧告による引き上げに加え、全世代の棒給月額や初任給の大幅なアップ、ボーナスや地域手当の引き上げなど従来水準を大きく超える改善がなされたと政府が示しています。

本意見書は、それでも不十分であるとの趣旨でしょうか。年間9兆円を超える防衛予算を措置しながら、自衛官の住居や福利厚生を含む処遇改善や人材定着が進まないのは、予算が武器や基地の強靭化、敵基地攻撃能力ミサイルの開発等に偏り、自衛官の職務環境がおろそかにされているからです。予備自衛官についても、今国会で国家公務員及び地方公務員を予備自衛官に任用できる要件を拡大する特例法が、日本共産党は反対しましたが可決されています。以上の状況を踏まえ、本意見書に賛成できません。

以上で討論を終わります。

以上

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