茨城県の肝炎対策 一歩改善

茨城県の肝炎対策について一言。
というのは、 県議会の決算特別委員会の委員になり、10月から11月にかけて週1回程度のペースで2015年度の決算審査を進めています。

県議1期目の私にとって、一般会計・特別会計の予算執行や事業内容を全体的に勉強できる機会でもあり、県施策に対する県民要望を反映させる機会でもあります。

先日の県保健福祉部の決算審査の際に、肝炎対策について質問しました。
担当課は保健予防課。以下の内容は、決算審査にあたって県に提出を求めた資料と、委員会での質疑によるものです。


茨城県のB型・C型肝炎ウイルス感染者は約8万人とされています。
そのうち、肝炎治療費助成の認定受給者は2015年度で3,494人(B型982人、C型2,512人)。医療費助成件数は合計17,710件(B型5,019件、C型12,691件)。
これにより、治療費の自己負担限度額が月額1万円、または2万円(所得による)となり、それ以上の医療費が助成されます。

これに対し、肝炎検査費用の助成は件数が少ない。
保健所などのウイルス検査で陽性と判定された人の初回精密検査費用の助成は、2015年度70件。
さらに少ないのが、慢性肝炎や肝硬変肝がん患者の定期検査費用の助成で、わずか2件。

そして、茨城県がいまだに定期検査の助成対象を「住民税非課税世帯」に限っていることを示し、その改善を求めました。

国は2016年度から所得制限を緩和しています。
早期治療と重症化予防のため助成を拡充し、「非課税世帯の検査費無料」に加えて、「世帯の住民税課税年額が23万5千円未満の人は、1回につき自己負担が慢性肝炎で3,000円、肝硬変・肝がんで6,000円」とし、それ以上は助成されます。
そのために、国は助成予算を3億6千万円(2015年度)から7億9千万円(2016年度)に増額しています。
(参考…厚生労働省Web「平成28年度肝炎対策予算案の概要」[PDF])

ところが、茨城県は関東でただ一つ、所得制限の緩和を実施していません。
私が「改善を」と求めたのに対し、課長は「国の制度に合わせていきたい」と答弁。実施を約束しました。


遅くても来年4月から拡充されると期待していましたが、後日、「今年度途中からでも実施していきたい。その準備を進めている。委員会で指摘していただき、ありがとうございました」と県から伝えられました。

本来なら今年4月から実施されるべきものですが、県の速やかな対応に期待しつつ、一人でも多くの肝炎患者さんの早期発見、早期治療に寄与されればと思います。

この問題を「患者の声」として私に伝えてくれた肝炎患者支援関係者に感謝し、小さな声でも、たった一人の声でも、行政に届けて政治に反映していくことの大事さをあらためて実感した出来事でした。

茨城県の肝炎対策指針(PDF)