2010年6月議会一般質問-乳幼児健診、ヒブ・子宮頸がんワクチン、保育、特養ホーム、水道

2010年6月水戸市議会定例会 一般質問の内容と答弁を掲載します。

20100804

日本共産党水戸市議団の江尻加那です。通告に従い一般質問を行います。


項目

1.保健行政について


(1)乳幼児健康診査について
始めに、水戸、常澄、内原の3ヶ所の保健センターで行っている乳幼児健康診査について、改善を求め質問します。先日、あるお母さんから「内原保健センターの健診は、待ち時間に子どもが遊べる場所があり、相談もゆっくりできて、とても良かった」との声を伺いました。そこで、早速、内原保健センターに伺い3歳児健診の様子を見せていただきました。相談室の真ん中にマットが敷かれ、ブロックや絵本などが置いてあり、さらに水戸や常澄の健診と違ったのは、内原では保育士経験のある方が配置され、親子に上手に話しかけ、子育てのアドバイスが気軽にできるようになっています。これは、合併以前の町の取り組みが今も続けられているとのことで、医師や保健師とは違った視点から子どもの成長や子育ての様子を把握する取り組みとして、大変良いことだと感じました。ぜひ、水戸や常澄の健診にも広げていただきたいと考えます。
逆に、水戸保健センターでのみ行っているのが7ヶ月児健診です。離乳食が始まって歯も生え始め、寝返りもしたりと発達の節目を迎える7ヶ月児の健診は大変重要です。ところが内原と常澄の保健センターでは実施されていないため水戸保健センターに健診が集中し、1回の受診者数が平均75人と大変多くなっています。そこで、7ヶ月児健診の実施回数や実施場所を見直すこと。さらに、1歳6ヶ月児健診および3歳児健診に比べて、受診率が7割台と低い7ヶ月児健診の受診を引き上げるための市の対策を求めますが、いかがでしょうか。
(2)ヒブワクチンおよび子宮頸がんワクチンに対する公費助成について
県内で大子町が子宮頸がんワクチンの全額補助実施、つくば市がヒブワクチンへの1回2千円補助など、国に先行した自治体独自の公費助成が広がり始め、水戸市での実施を望む声が高まっています。昨日の保健福祉部長答弁では、ヒブワクチンへの助成については具体的検討を始めているように伺いましたが、補助実施に向けた積極的な予算措置を求めますが、見解を伺います。

【保健福祉部長答弁】
江尻議員の一般質問のうち、保健行政についてお答えいたします。
はじめに、乳幼児健康診査の7か月児健診につきましては、水戸市独自の事業として、年間24回の健診を実施しております。1回当たりの平均受診者数は増加の傾向にあることから、次年度以降における実施回数等について検討してまいります。
なお、受診者数は増加傾向にあるものの、受診率は、他の乳幼児検診と比べ、依然として低いため、受診者数の更なる増加を図るための対応策が求められております。そのため、これまでの周知方法に加え、現在実施している「こんにちは赤ちゃん事業」等の機会を利用するなどして、健診の積極的な周知に努めてまいります。
次に、ヒブワクチン及び子宮頸がんワクチンの予防接種についてでございますが、これらの予防接種の受けやすい環境を整えることは大事なことであると考えておりますので、今後、国の方向性も考慮しながら、公費負担のあり方について検討してまいりたいと考えております。
特に、ヒブワクチンの予防接種につきましては、子育て支援の観点からも、検討を進めてまいります。


2.保育行政について


(1)認可外保育施設との連携について
次に、保育行政について質問します。私は待機児童の解消は子育て支援の第1歩と考え、保育所の増設を繰り返し求めてきました。今議会の補正予算に民間保育園の新設1カ所、および分園の増設2カ所で、合計139人の保育所定員増が盛り込まれました。これを含め、今後5年間で約400人の定員を増やす施設整備計画となります。しかし、一番早い新設施設でも入所募集は来年4月であります。
そこで私が訴えたいのは、今入れずに待っている子どもに行政として何をすべきかということです。市が、待機児童がどこで過ごしているかを調査した結果が水戸市少子対策検討委員会の資料に示されました。祖父母など家族に預けられている子どもが一番多く、その次が認可外保育施設の利用です。待機児童の6人に1人が認可外保育所に通っています。私の知り合いでも、上の子は2ヶ月認可外で待って認可に入り、下の子も3ヶ月認可外に通った後、認可保育所に入れたという方がいます。保育行政の補完的な役割を担い、待機児童の受け皿になっている認可外保育施設の実態を、市はどのようにつかんでいるでしょうか。
5月、日本共産党水戸市議団は、市内に約20カ所ある認可外保育施設のうち8カ所を訪ね、責任者の方のお話や子どもたちの様子を伺ってきました。施設の成り立ちや保育内容はそれぞれ違いますが、共通しているのは施設の運営費に対する補助が国からも県からも水戸市からも1円もないという厳しさです。「子どもたちの為にという保育士のやる気頼みで運営している状況です」とある方はおっしゃっていました。保育料も、認可保育所では家庭の所得に応じて10段階に分かれていますが、認可外施設では所得に関係なく決まった額で、月5万、6万という重い負担です。所得の少ない家庭では認可外保育所に預けることも出来ずに仕事をあきらめざるを得ません。毎月1万円程度の補助であっても保育料が軽減されれば、どれだけ助かるでしょうか。待機児童を多く抱える自治体で認可外保育施設の保育料補助が行われています。
同じように水戸市に住んで、子どもを産み、税金も払い、市の認可保育所への入所を希望しながら定員いっぱいで入れず、認可外施設に預けて働く親には全く補助がないという矛盾をどう考えるのか。施設は認可外でも、子どもは同じ水戸市の子どもです。児童福祉法第24条に明記される市町村の保育実施責任をふまえるなら、市は入所できない子どもへの緊急対応として、待機児童のいる家庭の相談、一時保育による受け入れ、後何ヶ月したら入所できるという見通しを持たせるなど、あらゆる対応が求められます。私その一つとして、認可外保育施設の保育料補助を求めるとともに、子ども課窓口や市のホームページで認可外保育施設に関する市民への情報提供を抜本的に充実することを強く求めますが見解を伺います。
(2)保育所利用数の将来見込みと保育所定員に対する市の方針
現在、水戸市では小学校入学前の子どもの23%、約4人に1人が認可保育所に入所しており全国平均の24%と同水準です。一方、政府が今年1月に発表した「子ども・子育てビジョン」に示す推計値では、今後5年間でこの割合が35%に増えるとしています。 水戸市の場合約5千人の子どもにあたり、現在の保育所定員3,220人より1,800人も多い見込みです。前橋市では、すでに就学前児童の34%、約6千人の保育所定員を整備しており、今年度も待機児童ゼロが続いています。水戸市でもこれから先の保育需要を十分考慮し、それに見合った整備目標に大幅に引き上げるべきと考えます。そこで、保育所利用数の将来見込みと、定員をどこまで増やせば待機児童は解消されると見込んでいるのかお答えください。
(3)地域子育て支援拠点事業の拡充について
次に、地域子育て支援拠点事業について伺います。この事業は、子育て中の親子が気軽に集い、交流し、不安や悩みを相談でき、子育ての孤立化や不安感、負担感を軽減する目的で、地域の保育園で実施されています。現在11ヵ所の民間保育園が国の補助事業として実施していますが、もっと数を増やして欲しいという声が小さい子どもがいる親から寄せられています。11ヶ所のうち、週5日以上開設しているセンター型が6ヶ所、開設日数が少ない小規模型が5ヶ所あります。国と県は子育て支援拡充のため、すべての施設で週5日開設するセンター型への移行をすすめ、来年度以降、小規模型を廃止する計画です。
こうした国と県の方針を受け、小規模型を実施するいくつかの保育園が今年度からのセンター型移行に向けて、専用の建物や部屋を用意し、専任職員の配置を決めました。ところが、年度末ぎりぎりになってセンター型への移行を市が認めなかったことに不信の声が出されています。市は、待機児童対策と合わせ、在宅での子育て支援の拡充に取り組む民間保育園を積極的に支援すべきであり、国と県が実施を打ち出している事業を、市財政が厳しいからと言って先送りすることは許されません。本事業に対する市の補助額は、小規模型で年間125万円、センター型で375万円です。センター型移行によって増える市の補助額は1ヶ所あたり年間250万円であり、これによって今でも年間3万人が利用する地域子育て支援事業を大幅に拡充でき、親子で身近に通える居場所を市内各地に増やすことができます。
もともと、市の次世代育成支援対策行動計画において地域子育て支援事業をあと3ケ所増やすとしており、来年度、小規模型を速やかにセンター型に移行させ、実施箇所も増やすよう求めるものですが、明快な答弁をお願いします。

【保健福祉部長答弁】
次に、保育行政についてお答えいたします。
はじめに、認可外保育施設利用者に対する保育料補助についてでございますが、現在、運営費のうち、児童や職員の健康診断費用と職員の検便費用の一部を補助しております。
保育料の補助につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。
次に、認可外保育施設の情報提供につきましては、施設の一覧や施設ごとの案内を窓口に置くなどして、周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、保育所利用者数の将来見込みと保育所定員についてでございますが、本市におきましては、待機児童の解消は喫緊の課題であるため、現在進めている民間保育所1か所の創設及び1か所の移転増改築に加え、保育所分園2か所の設置、1か所での定員増、さらには、平成23年度に計画していた保育所1か所を前倒しで創設し、これらの定員増により、待機児童の解消を図ってまいりたいと考えております。
次に、地域子育て支援拠点事業の拡充についてでございますが、現在、子育て支援・多世代交流センターを中心施設として、公立・民間の保育所13か所において実施しているところでございます。
地域子育て支援拠点事業は、昨年度策定いたしました次世代育成支援対策行動計画後期実施計画において、重点推進項目の一つとして位置付けていることから、公共施設をはじめ、民間施設の利用も検討しながら、実施施設の拡充に努めてまいりたいと考えております。


3.特別養護老人ホームの増設計画について


(1)従来型施設に対する市の整備方針と、現在の入所者および待機者の実態
次に、特別養護老人ホームの整備方針について質問します。現在、整備が進められている個室のみのユニット型施設は入所料が標準で月12万8千円と高く、年金の少ない高齢者が入所するのは大変困難です。こうした現状を請け、茨城県は、比較的入所料が安い4人部屋などの多床室がある従来型施設の建設費補助を再度認める方針を4月に発表しました。県が一昨年行った調査によると、年収80万円以下の高齢者の大半がユニット型個室ではなく多床室に入所しているとのことで、私が、市内の特養ホームを訪ねてお聞きした実態や、高齢者から寄せられた声と同様の結果です。昨年9月議会で、私が従来型施設の整備を求めて質問した際、保健福祉部長は必要性があるので県と協議していくと答弁されました。
そこで、県が調査した水戸市内の特養施設入所者の実態、および待機者数についてお示しください。さらに、昨年度は344人の待機者に対し80床しか整備が進まず、整備はすべてユニット型個室でしたが、多床室をふくむ従来型特養ホームの整備に対する市の今後の方針を伺います。

【保健福祉部長答弁】
次に、特別養護老人ホームの増設計画についてお答えいたします。
はじめに、特別養護老人ホーム利用者につきましては、平成20年9月における茨城県の調査によると、市内にある14施設、751人の定員に対し、所得段階の第2段階までの利用者は356人となっております。この内訳を施設の種類別で見ますと、集団ケアを行う従来型施設が161人、個別ケアを行うユニット型施設が128人、従来型及びユニット型併設施設が67人となっております。
また、本市における特別養護老人ホーム待機者数は、平成21年3年31日現在、344人となっております。
次に、従来型施設の整備への考え方についてでございますが、茨城県においては、平成24年度の整備のものから、ユニット型を基本としつつ、地域における特別の事情や合理的な理由がある場合には、従来型の整備につきましても配慮するとされたところであります。
また、本市の対応につきましては、これまで、計画的に特別養護老人ホームの整備を進めてきたところでありますが、依然として待機者数が多いことから、ユニット型と従来型とのバランスにも配慮しながら、引き続き、特別養護と老人ホームの整備に努めてまいりたいと考えております。


4.水道行政について


(1)水戸地区に残されている石綿セメント管を布設替えし早期解消を
次に、水道行政について質問します。平須町に住む方から「自宅脇の道路に埋まっている石綿セメント管を早く交換してもらいたい」と相談がありました。その方を含め、今でも5世帯がその水を家庭で使用しています。私は水戸地区はすでに布設替えが終わり、現在は内原地区の更新を進めているという認識でしたが、水道部に問い合わせたところ、指摘された箇所‐約150mは今も更新されていないことが確認できました。さらに、水戸地区内に他にも石綿管が残されている箇所があるとのことです。
そこで、以下3点について伺います。第1に、水戸地区に石綿管が残されているのは何カ所で、その延長距離はどのくらいか。第2に、水戸地区の更新事業は平成12年度にほぼ完了したと報告されていますが、12年度末時点でどれだけの石綿管が残されていたのか。第3に、その後10年経った今も残っている水戸地区の石綿管について、早急な解消にむけ具体的手だてを図るよう求めるものですが、市の考えを伺います。
以上で質問を終わりますが、答弁によりましては再度質問いたします。

【水道部長答弁】
江尻議員の一般質問のうち、水道行政についてお答えします。
石綿セメント管につきましては、経年劣化などによる漏水や耐震対策などから布設替えが急務となり、平成3年度末に水戸地区に残存していた約307キロメートルの石綿セメント管を、平成4年度から12年度にかけ実施した更新事業により、約285キロメートルの布設替えを行ったところでございます。
ご質問の、水戸地区において未解消であった約22キロメートルにつきましては、道路改良等に伴い布設替えを実施しており、平成21年度末では、主に布設替えが困難な国道・県道の交差点部や議員ご指摘の私道などに約1.8キロメートル残存している状況でございますが、今後も関係部署と連携し、石綿セメント管の解消に努めてまいります。

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